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「高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)」が約5年ぶりに改訂され、高血圧の管理に関する標準的な治療法が提示されました。
高血圧は自覚症状がほとんどありませんが、そのまま放置すると脳、心臓、腎臓など重要な臓器の血管に負担がかかり、脳卒中、心筋梗塞、腎不全を発症する危険性が高まります。これらの疾患を予防するため、適切な血圧の管理が重要です。
高血圧の基準は従来どうり140/90mmH以上に設定され、診断においては、家庭血圧の重要性が強調されています。家庭血圧が診察室血圧よりも高血圧による予後を予測するのに適しているからです。
●診察室血圧が140/90mmg以上で、家庭血圧が135/85mmg以上の時、高血圧と確定します。(収縮期血圧と拡張期血圧のいずれか一方だけ該当する場合も含めます。)
●白衣高血圧:診察室血圧は高血圧を示しても、家庭血圧が正常の場合です。白衣高血圧は持続性高血圧と比較すると臓器障害が軽度であり心血管予後も良好のため、積極的な降圧薬治療の対象とはなりません。しかし、将来的に持続性高血圧に移行し、心血管疾患の発症の危険性が高まることがあるため、定期的な経過観察が必要です。
●仮面高血圧:診察室血圧は正常でも、家庭血圧が高血圧を示す場合です。仮面高血圧は心血管疾患発症の危険性が持続性高血圧を同程度であり、降圧薬治療の対象となります。
また、診察室血圧も家庭血圧も正常であっても、時間帯によって高血圧を示す仮面高血圧もあります。そのため、「24時間自由行動下血圧測定( ABPM:ambulatory blood pressure monitaor)」を用いて早朝高血圧・昼間高血圧・夜間高血圧の診断を行うことが望ましいとされています。
●上腕カフ血圧計を使用します。手首で測るものは便利ですが勧められません。カフを心臓の高さに保ち、安静座位の状態で測定します。左右差がある場合、測定値が高いほうではかります。その場合、血圧が低い方の腕の中枢側血管の狭窄が疑われます。
●測定は朝と晩(就寝前)の2機会とします。原則1機会につき2回測定し、その平均値をその機会の血圧値として用います。
・朝 :起床後1時間以内、排尿後、朝の服薬や朝食前、座位1-2分安静後
・晩(就寝前):座位1-2分安静後
| 診察室血圧 | 家庭血圧 |
若年、中年 前期高齢者患者(65歳~74歳) | 140/90mmHg未満 | 135/85mmHg未満 |
後期高齢者患者(75歳以上) | 150/90mmHg未満 | 145/85mmHg未満 |
糖尿病患者 | 130/80mmHg未満 | 125/75mmHg未満 |
慢性腎臓病患者(蛋白尿陽性) | 130/80mmHg未満 | 125/75mmHg未満 |
脳血管障害患者 | 140/90mmHg未満 | 135/85mmHg未満 |
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